鉄道でオトクに移動する手段の1つに「一筆書き切符」があります。
一筆書き切符を使えば、東京と名古屋間を移動する際に、
東海道新幹線で単純に往復するよりも長野を経由することで料金を安くできます。
この記事では、一筆書き切符の特徴や利用できる各種割引について解説します。
- 一筆書き切符とは?
- 一筆書き切符の特徴
- 一筆書き切符で使える割引について


一筆書き切符を実際に活用した旅行記は、以下の記事や動画で紹介しています。
一筆書き切符とは?
一筆書き切符とは、乗車駅からルートを重複せずに複数の駅を経由して
再び乗車駅に戻る乗車券のことを指します。

どういうことだ…?
例えば、以下のような乗車券です。
- 東京から北陸新幹線で長野へ
- 長野から在来線(信越・篠ノ井・中央西線経由)で名古屋へ
- 名古屋から東海道新幹線で東京へ

あえて長野を経由することで乗車経路を一筆書きにし、
後述する「遠距離逓減(ていげん)制」を活用し乗車券の料金を安くします。
一筆書き切符の特徴
一筆書き切符には、以下の特徴があります。
- 往復切符より乗車券の値段を下げれる
- 有効期間が長くなりやすい
- 乗継割引を活用しやすい
- 経由地を増やし途中下車で観光できる
1つずつ解説していきます。
往復切符を買うよりも乗車券の値段を下げることが可能
一筆書き切符を使うメリットとして、往復切符を買う場合よりも乗車券の値段を安く済ませれる点があります。
JRには遠距離逓減(ていげん)制というルールがあり、
距離が伸びるにつれてキロあたりの運賃が安くなります。
キロ数 | 300km以下 | 600km以下 | 601km以上 |
1kmあたりの運賃 | 16.20円/km | 12.85円/km | 7.05円/km |
わざわざ一筆書きのルートを選択する理由は、距離を伸ばして乗車券の料金を安くするためです。
わかりやすいように、東京と名古屋間を東海道新幹線で移動する場合と、
一筆書き切符を使用して、
- 北陸新幹線で東京〜長野
- 特急しなので長野〜名古屋
- 東海道新幹線で名古屋〜東京
でかかる乗車券の料金を比較してみます。
ケース | 乗車券料金 |
東海道新幹線 東京〜名古屋を往復 | 12,760円 |
一筆書き長野経由で東京〜名古屋 | 11,330円 |
上記の表からもわかるように、あえて長野を経由して一筆書き切符を活用した方が、
移動距離は増えますが乗車券の料金を1,430円安く済ませることができます。
特急券を含めた総額料金も、一筆書き切符と後述する乗継割引を活用することで、
単純な往復料金より安く済ませることができます。
ケース | 料金 | 補足 |
東海道新幹線 東京〜名古屋を往復 | 21,120円 | 自由席利用 |
一筆書き切符 長野経由で東京〜名古屋 | 20,460円 | 自由席利用・乗継割引を活用 |

総額料金も、一筆書き切符を利用して長野を経由する方が660円安いですね!
一筆書き切符を利用した際の料金詳細は以下です。
ケース | 料金 | 補足 |
乗車券 | 11,330円 | 東京都区内から東京都区内 |
東京〜長野 新幹線特急券 | 3,740円 | あさま自由席 |
長野〜名古屋 しなの特急券 | 1,210円 | 乗継割引を利用 |
名古屋〜東京 新幹線特急券 | 4,180円 | のぞみ自由席 |

一筆書き切符の有効期間は長くなりやすい
JR切符の有効期間は101キロ以上の乗車券の場合、乗車駅から降車駅までの総距離で決まります。
距離が長いほど、有効期間が長くなります。
乗車距離 | 200キロまで | 400キロまで | 600キロまで | 800キロまで | 1000キロまで |
有効期間 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 |
乗車駅から降車駅までが長い一筆書き切符は、有効期間が長くなりやすいです。
例えば東京→長野→名古屋→東京の一筆書き切符では、有効期間は6日です。

有効期間が長いので、途中下車をしつつ旅を進めることが可能です!
一筆書き切符で乗継割引を活用する
一筆書き切符を利用する際に活用したいのが、乗継割引です。
乗継割引とは、JR線の特急や急行を乗り継ぐと特急・急行料金・指定席料金が半額になる割引です。
例えば、東京から白浜まで新大阪駅で新幹線のぞみから在来線くろしおへ「通常期」に乗り継ぐ場合は、
白浜から新大阪までの特急券2,290円が半額の1,140円になります(10円未満切り捨て)

乗継割引を利用するには、乗り継ぐ列車双方の特急券を同時に購入する必要があります。
同時に買わないと割引が効かないので、注意が必要です。
一筆書き切符では経路上で乗継割引をうまく活用すると、快適に移動することができます。
長野経由で東京から名古屋に向かう場合は、
北陸新幹線から特急しなのに乗り継ぐ際に乗継割引を活用できます。
- 東海道新幹線で米原へ・その後「しらさぎ」で金沢方面へ
- 上越新幹線で新潟へ・その後「いなほ」で秋田方面へ
- 北海道新幹線で新函館北斗へ・その後「北斗」で札幌方面へ

乗継割引にて乗継が適用される日付は、
- 新幹線から在来線に乗り継ぐ場合は、新幹線乗車日
- 在来線から新幹線に乗り継ぐ場合は、在来線乗車日かその翌日
です。
経由地を増やし途中下車にて観光することができる
一筆書き切符はその性質上、往路と復路を分ける必要があります。
それを活用し、途中下車して観光をするのも良いでしょう。

行きたい場所を経由地としてルートに組み込むことができる点も、
一筆書き切符の魅力の1つです。
例えば長野で途中下車して、善光寺を観光したり。


途中下車の際は、有人改札で「途中下車します」と伝えればOKです。
一筆書き切符の発券方法
一筆書き切符は駅の窓口に出向いて発券するのが良いでしょう。
経路が特殊なため、通過する経路を紙に記入して窓口の方に渡すとスムーズです。

一筆書き切符を発券する際に乗継割引を活用する方は、
乗り継ぐ列車双方の特急券を同時に購入する必要がありますので、ご注意を!
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