東日本大震災を受けて、大きなダメージを受けた東北の鉄道網。
その中でJR東日本の気仙沼線と大船渡線は、BRTによる復旧を選択しました。

一体なぜ鉄道の復旧ではなくBRTを選んだのでしょうか?
この記事ではその謎に迫ります。
気仙沼線と大船渡線がBRTで復旧した理由
BRTはバス・ラピッド・トランジットの略で、
路線バスのような見た目で、バス専用のレーンまたは一般道を走るのが特徴の乗り物です。

BRTで復旧した理由は、主に2つあると考えられます。
1つ目の理由は、早期の復旧が可能であることです。
東日本大震災を受けて、線路や橋梁・駅舎などに甚大なダメージを受けた2つの路線は
復旧にあたり一般道をルートに組み込むことで、鉄道設備の復旧を待たずとも
バスによる運行を再開することを選択しました。

2つ目の理由は、コストの安さです。
気仙沼線の、100円の営業収入を得るためにかかる費用を示す値「営業係数」は
2009年度が656.9で、多くのお金をかけて鉄道を復旧しても赤字が予想されました。

鉄道の運営には車両・インフラなど多くのお金がかかりますが
バスの車両は電車よりも安く、またアスファルトで舗装すれば保守コストも
線路と比較して安く済みます。

BRTで復旧するメリットとは?
BRTで復旧するメリットは、
- 地震発生時に自力避難が可能
- 後からルート変更が容易
- 鉄道敷を活用し速達性 & 定時性がある
などがあります。
BRTは、鉄道敷地をBRT専用道とすることにより
一般道の混雑を避けて定時制を保つことができます。

またBRT専用道は一般道と繋がっているため
災害発生時に一般道を利用して迅速に避難が可能です。

さらに専用道以外はルートを自由に決めれるため、停留所の柔軟な移動ができます。
三陸鉄道は被災して鉄道での復旧を選択した
ここまでBRTの復旧についてお伝えしましたが、同じく被災した三陸鉄道は鉄道で復旧しました。

三陸鉄道の路線は山側に高架・トンネルを多用して建設された区間が多く
被災区間が多かった旧JR山田線区間に関しても、市街地のかさ上げなどを行って鉄道で復旧しました。

BRTや鉄道という復旧方法は異なりますが、現在は地元の方や観光客の足として活躍しています。

さいごに
東北地方は人が優しく料理もおいしいので、私もよく行きます。
みなさんも、復興した東北地方を訪れてみてくださいね。
参考資料
- 未来へ新化する「気仙沼線BRT」
- https://www.jcca.or.jp/kaishi/294/294_toku4.pdf
- JR東日本 気仙沼線BRT・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)
- https://www.jreast.co.jp/railway/train/brt/system.html
- 乗りものニュース 三陸の鉄道「早々バスに」「8年かけ鉄道で復旧」なぜ分かれた? それぞれの軌跡と課題
- https://trafficnews.jp/post/105333
- ITmedia NEWS 東北の復興を支える「BRT」、鉄道・バスとの仕組みの違いとは
- https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2005/08/news045.html
- TETSUDO.COM 鉄路復旧の代わりとして導入、専用道を走る「BRT」
- https://www.tetsudo.com/report/279/
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