【秘境駅満載】日本唯一のアプト式で行く!大井川鐵道 井川線乗車記

鉄道

日本各地にあるローカル線。車窓の美しい景色を眺めらながらののんびりした移動は、ローカル線ならではの楽しみです。

静岡県の大井川鐵道に、注目のローカル線があります。その名も井川線(いかわせん)。

井川線は、

  • 日本一の急勾配
  • 日本一の高さの鉄道橋
  • 日本唯一のアプト式列車

など日本一の称号を複数持つ路線です。

日本一の称号に加えて、接岨(せっそ)湖に浮かんだように見える奥大井湖上駅や、

駅周辺に民家はなく、その上駅に通じる公道もない秘境駅の尾盛駅など、

観光路線として活躍しています。

この記事では、

  • 井川線の概要と特徴
  • 乗車の際に押さえておきたい見所ポイント
  • 千頭〜井川間に乗車した際の乗車記

を紹介します!

いっちー
いっちー

以下の記事では大井川鐵道で走るSL「きかんしゃトーマス号」に関して紹介しています!

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井川線の概要

井川線は、千頭駅から井川駅間の25.5kmを結ぶ路線です。

元々は大井川水系のダム建設のために作られ、電力会社が路線を保有していた歴史を持ち、

現在では観光路線として活躍しています。

愛称は南アルプスあぷとラインです。

井川線には以下の特徴があります。

  • 日本で唯一、アプト式を採用
  • 大井川上流部・奥大井の渓谷を走る観光路線
  • 762m時代の名残で車両が小さい

日本で唯一、アプト式を採用

井川線では、通常のレールに加えてラックレールという歯形レールを使って、

急坂を登り降りします。

アプト式が見られるのはアプトいちしろ〜長島ダムの区間です。

アプト式区間の勾配は90パーミルで、これは普通鉄道日本一の急勾配となっています。

90パーミルとは、1000メートル進むと90メートルの高さを上がる(または下がる)という意味です。

大井川上流部・奥大井を走る観光路線 – 車窓は絶景ポイントがたくさん!

井川線は大井川上流部の奥大井を走ります。

沿線には長島ダム・井川ダムなどのダムがあり、列車は渓谷を進んでいきます。

車窓の見所ポイントに関しては、「見所」や「乗車記」セクションにて後述します!

奥泉駅を出発すると右手に見える泉大橋

762m時代の名残で車両が小さい – 小さくて可愛いトロッコ列車

元々762mm軌間で建設された経緯があり(現在はJR在来線などと同じ1067mmに変更)、

通常の鉄道車両よりも小さなトロッコ列車で運行されています。

2+1のボックスシート。JRと比較すると通路も幅が狭くなっています。

井川線の見所

ここからは自然豊かな奥大井を走る井川線の見所を紹介します!

日本で唯一のアプト式区間 アプトいちしろ〜長島ダム

アプトいちしろ〜長島ダム間は勾配がとても急なため、日本で唯一のアプト式を採用している区間です。

通常のディーゼル機関車に加えて、アプト式電気機関車を連結して走行します。

アプト式電気機関車
アプト式電気機関車の連結・切り離しタイミング
  • 連結
    • アプトいちしろ駅
  • 切り離し
    • 長島ダム駅

井川方面列車の場合

※連結・切り離し後しばらくして発車。降車して写真撮影の時間あり。

アプト式区間では車窓から巨大な長島ダムを望みます。絶景写真撮影ポイントです。

長島ダム。列車からこの絶景が見えます。

関の沢橋梁 – 日本一の高さの鉄道橋

関の沢橋梁(せきのさわきょうりょう)は、尾盛駅~閑蔵駅間の大井川水系の関ノ沢川にかかる鉄道橋です。

川底からの高さは70.8mで、現在日本一高い鉄道橋となっています。

通過時のスピードはゆっくりなため、写真撮影が可能です!

関の沢橋梁を渡っている時に沢の様子を撮影
いっちー
いっちー

関の沢橋梁を通過中には、「落とし物をしたら2度と手元には戻りません」とアナウンスがありました。。。

奥大井湖上駅 – 湖の上に浮かぶ駅!?

千頭から9つ目の停車駅である奥大井湖上駅は、

長島ダムの建設に伴い誕生したダム湖(接岨湖)の半島上に位置します。

駅の両端には「奥大井レインボーブリッジ」がかかり、

駅がまるで湖の上に浮かんでいるかのように見える写真映えスポットです。

対岸の撮影スポットから奥大井湖上駅を望む。駅は半島の上にあります。

奥大井湖上駅は2019年にクールジャパンアワードを受賞しており、

その景観は海外にも認知があります。

停車駅の多くが秘境駅

井川線は秘境駅の宝庫です。

抑えておきたい注目の秘境駅を紹介します!

土本駅

土本駅は、千頭駅から3駅目の無人駅です。

土本駅周辺には人家が数軒しかなく、近年に道路整備がされるまで井川線が唯一の移動手段でした。

いっちー
いっちー

土本駅は、駅近くに「土本さんが住んでるので土本駅という名前になったそうです!

尾盛駅

尾盛駅は千頭駅から11番目の無人駅です。

駅周辺に民家はなく、公道に続く道もありません。

尾盛駅へ行くには鉄道を利用する他ないことから、秘境駅ランキングでは常にランクインする駅です。

作業員の方が下車しいました。観光客の下車はありません。

乗車料金 – フリー切符がオトク!

千頭駅から井川駅まで、井川線を乗り通すと片道1340円です。

大井川本線にも乗車したり、複数日に跨って鉄道を利用する場合は大井川周遊きっぷがお得です。

大井川周遊きっぷの詳細
  • 料金
    • 有効期間2日間
      • 大人 / 4,900円 小人 / 2,450円
    • 有効期間3日間
      • 大人 / 5,900円 小人 / 2,950円
  • エリア
    • 以下の区間が有効期間内乗り降り自由
      • 大井川本線(金谷-千頭)
      • 井川線(千頭-井川)
      • 寸又峡線バス(千頭駅前-寸又峡温泉)
      • 閑蔵線バス(千頭駅前-閑蔵駅前)
  • 販売場所
    • 金谷駅・新金谷駅・プラザロコ内SLセンター・千頭駅

オススメ座席

井川線の見所は、進行方向右側に多くあるため、

右側の座席がオススメ千頭方面は進行方向左側)です!

井川線の見所とオススメ座席
  • アプト式区間
    • 右側に長島ダム
  • 奥大井湖上駅付近
    • 右側に奥大井湖上駅
  • 関の沢橋梁
    • どちら側でも川底が見える

※井川方面列車の例

井川線全線乗車記

ここからは井川線に全線乗車した様子を紹介します。

乗車の様子は以下動画に収めました。見ていただけるとより雰囲気が伝わると思います(*´∀`*)

千頭駅からアプト式列車に乗車

きかんしゃトーマス号に乗って千頭駅到着後、アプト式列車に乗り込みます。

井川線のホームは、地面と高さがあまり変わらないほど低く作られています。

車内には珍しい手で回すタイプのブレーキ設備があります。乗客は触ってはいけない設備です。

休日とあって、列車内はほぼ満員の状態で千頭駅を発車しました。

列車は大井川の清流に沿って井川駅を目指します。

川根両国を過ぎたあたりで見える両国の吊り橋
奥泉駅を発車した後に現れる巨大な泉大橋

アプト式区間で専用電気機関車を連結

アプトいちしろ〜長島ダムの区間はアプト式区間で、専用電気機関車を連結します。

アプト式30周年のヘッドマークが付いています。

アプトいちしろを出発後のトンネルを抜けると、広がる絶景。

トンネルを抜けると広がる景色

日本一の急勾配とあって、結構な角度をつけて登っています。

窓から後方を撮影。路線の勾配が急である。
長島ダム駅到着前に見える長島ダム

長島ダム駅に到着後、アプト式電気機関車は切り離し作業を行います。わずか1駅区間の活躍です。

奥大井湖上駅

長島ダムを過ぎてしばらく走ると奥大井湖上駅に到着します。

奥大井レインボーブリッジを渡ると奥大井湖上駅に到着

奥大井湖上駅はSNS映えスポットとして近年人気を集めており、駅にはたくさんのギャラリーがいて写真を撮影しています。

接岨峡温泉駅

接岨峡(せっそきょう)温泉駅は、接岨峡温泉の最寄り駅です。

接岨峡温泉駅〜奥大井湖上駅間は徒歩約1時間で移動することができます。

付近には「八橋小道ラブロマンスロード」として整備された遊歩道があり、

「若宮神社」と「こだま石神社」との間に8つの吊橋があります。

八橋小道ラブロマンスロードにある南アルプス接岨大吊橋

接岨峡温泉に宿泊する際はたぶの家がオススメです!

食事付きのプランで提供される地元の食材を使った和食は絶品です。

朝食の様子

食堂には囲炉裏があり、夕食用のヤマメを焼いていました。ヤマメは骨まで食べれて美味しい!

井川駅に到着

接岨峡温泉を出た後は、さらに秘境感が増した中を進みます。

閑蔵駅停車中の様子。駅の前は森です。

閑蔵駅発車後しばらくすると井川ダムが右手に見え、まもなく井川駅に到着しました。

井川ダムは進行方向右側に見えます。
アプト30周年を祝うヘッドマークを付けています。

井川ダムによってできた井川湖では、駅から徒歩約10分のところに遊覧船乗り場があります。

遊覧船では井川湖上の船旅を楽しめます。料金は無料です。

遊覧船の様子

鉄道に乗りにきてまさか遊覧船に乗れるとは思っていませんでした (^▽^;)

さいごに

今回の記事では大井川鐵道の井川線について紹介しました。

日本一の急勾配、日本一の高さの鉄道橋、日本唯一のアプト式列車と珍しいもの尽くしで、

奥大井湖上駅に代表される秘境駅もあります。

みなさんも大井川鐵道井川線に乗って自然豊かな奥大井を旅してみてはいかがでしょうか?

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